#324 戦略は各種工作を併用して総合することによって相乗効果を起こすもの

戦略は各種工作を併用して総合することによって相乗効果を起こすものである 小さな力で大きな仕事をするには、謀略を使う必要がある 謀略とは、実力をなるべく使わず相手を思うようにすることで相手に自主的に計算させてこちら側の主張に同調するほうが有利…

#323 計画の立て方

計画は次の順序で策定するといい。 ①目的と目標を確立する ②これを達成するための方針を定める ③方針を実行するための指導要領を決定する ④各機関の行動、相互の連繋の拠り所を示し、努力の重複と隙間のないようにする 計画というのは、目を通した時に内容が…

#322 統率力

神秘的な力を発揮するトップの秘密は、その人の統率力である。 統率力は、統御と指揮からなる。 統御 統御とは、集団内の各個人に全能力を発揮して指揮されようとする気持ちを起こさせる心理的工作である。 指揮 指揮とは、統御によって沸き立たせ、掌握した…

#321 人間は自分の価値を常に認めて欲しいと思っている

人間は自分の価値を常に認めて欲しいと思っている。 つまり 自分に対して好意を持ってくれている人に対しては、メリットがあるという考え方をしているのである。 人が人を好きになる瞬間とはいつか? それは、「メリットを失いたくない」と思ったときである…

#320 市民たちの行為に注意を怠ってはならない

市民たちの行為に注意を怠ってはならないという話。 なぜなら 一見するだけならば私利私欲とは無関係に見えるものでも、もしかしたら裏には権力獲得の欲望が潜んでいるかもしれないからである。 そのため このような疑いのある行為は、たとえ表縁的にはいか…

#319 軍隊には3種類ある

〜軍隊には3種類ある〜 ①古代ローマの軍隊 このタイプの軍隊の力の源泉は、規律にある。 歴史上、ローマ軍団ほど軍規が行き届き、それが長期にわたって維持された軍隊はなかった。 ローマの軍団兵は、指揮官の命令がない限り食事も取らず、眠りもしなかった…

#319 人間というものは同じような欲望に駆られ、同じような性向を持って生きている

人間というものは同じような欲望に駆られ、同じような性向を持って生きている。 過去の状態を詳しく学ぶ者は、現在のことも容易に判断がつき、古の人々の行為を参考にして、対策を立てることができるのである。 仮に完全に同じ状態が過去に見出せなかったと…

#318 国家には清貧が大切である

国家が秩序を保ち、国民1人1人が自由を享受するには、清貧が最も有効である。 ローマは、建国後400年までは少なくとも清貧を尊ぶ気風が充満していた。 なぜなら、 ローマ市民にとっていかなる公的地位に就くにもいかなる成功に浴びすにも、貧しさが不都合な…

#316 なぜ古代は秩序が保たれたのか

なぜ古代は秩序が保たれたのか? 理由は、昔は自由人であったが、今では奴隷の生活をするしかないことにある。 自由に生きることのできる国は、社会全体が繁栄を享受できるようになる。 そのような社会では、結婚を避ける傾向もなく、財産を減らす恐れを持た…

#315 長期にわたって存続する共和国を作るには

長期にわたって存続する共和国を作るにはどうすればいいか。 それは、国内では秩序を保ち、国外に対しては、天然の要害の地にあることと、時刻防衛をおろそかにしていないことから、容易に攻略できないと敵に信じ込ませることである。 同時に、近隣の国々が…

#314 なぜ自由に生きることへの強い愛情が生まれるのか

なぜ自由に生きることへの強い愛情が生まれるのか? それは、歴史上、自由を持つ国家だけが、領土を拡張し経済的にも豊かになったからである。 アテナイがわずか100年の間に成果を生むことができたのかは、個人の利益よりも共同体の利益を優先するようになっ…

#313 ハンニバルとスキピオ

ハンニバルとスキピオは、部下の心を掴むために全く反対の方法をとったが、両者とも同じ効果をあげることができたのである。 スキピオは、任地のスペインで人間味溢れる温情に満ちた言動によって、地方の人心を掴んだ。 ハンニバルは、イタリアの地で、残酷…

#312 人の運の良さは時代に合わせられるかで決まる

人の運の良さは、時代に合わせて行動できるか否にかかっている。 ある者は激情のほとばしるままに行動し、ある者は慎重に慎重を重ねた上で行動を起こす。 両人とも限界を踏み外し、失敗に終わってしまうことがある。 反対に 誤りが少なく、幸運に恵まれた人…

#311 賢い武将は、配下の将兵を止むを得ず闘わざるをえない状態に追い込む

賢い武将は、配下の将兵を止むを得ず闘わざるをえない状態に追い込む。 同時に敵に対しては、止むを得ず戦わざるをえない状態になるべく追い込まないような策を講ずるもの。 古代の将軍は、人間の意欲というものは、必要に迫られてこそ充分に発揮されるもの…

#310 戦闘において敵を欺くことは賞賛される

人間生活一般において人を欺す行為は、極めて憎むべきことである。 しかし、戦時では別である。 戦闘状態の中では、策略を巡らせて敵を欺き、それによって勝利を得るのは、正面切ってぶつかっていって勝利を収めるのと同じくらいに、賞賛されて良いことであ…

#309 金で雇った人は、役立たない

金銭で雇うことによって成り立つ傭兵制度は役立たないものである。 なぜなら、この種の兵士たちは掌握できる基盤が、支払われる金以外にないからである。 彼らの忠誠を期待することはできない。 彼らが雇い主のために死までいとわないほど働くと期待する方が…

#308 戦略論

〜戦略論〜 1.自軍の力と敵の力を、ともに冷静に把握している指揮官ならば、負けることはまずない。 2.配下の将兵についてならば、彼らの数よりも、彼らの戦意の方が価値がある。そしてしばしば、戦意よりも地勢に恵まれることの方が、戦勝に繋がりやすい。 …

#307 側近に誰を選ぶかは非常に重要である

君主が思慮深いかどうかで、優れた人材が登用されることになったり、無能な側近に囲まれることになったりする。 従って 側近にどのような人を選ぶかは、君主としての能力を計る格好な材料となるのである。 側近に誰を選ぶのかは、君主にとって軽々しく考えて…

#306 人の上に立つ者が尊敬を得る方法

人の上に立つ者が尊敬を得る方法は何か? ①大事業を行い、前任者とは違う器であることを示す なぜなら 大事業を行えば、人々は呆気にとられて感嘆してしまい、他のことに心を使う暇も気も失ってしまうからである。 ②敵に対する態度とかと味方に対する態度を…

#305 かつては敵であった者の方が役に立つ

人の恨みは悪行からだけででなく、しばしば結果として悪を生み、それによって恨みを買うことが少ない。 このような場合の善行は、善意によってそれを為したものの、仇になってしか返ってこないものである。 君主は、地位獲得当初は敵に見えた者の方が、もと…

#304 恩恵を与えても、過去の怨念は消えない

裏切りや残酷の限りを尽くした後でもなお、外敵からも国内からも地位を守り抜いた場合 この種の悪行が巧みに使われたが、それとも下手に使われたかを見極めることがまず必要である。 巧みな使い方とは、自分の立場を守る必要上、一度は使っても、以後はそれ…

#303 新しい国を作ったら守ること

〜新しい国を作ったら守ること〜 ・敵から身を守る方策を立てること ・味方を獲得し、味方網とも呼んでも良いものを確立すること ・策略によってであろうが、力によってであろうが、まず何よりも勝利を収めること ・民衆から、愛されるとともに怖れられる存…

#302 新しい秩序を打ち立てることは難しい

新しい秩序を打ち立てること それは この上なく実行が困難で、実行したとて成功はおぼつかなく、実現での過程では細心の注意を必要とすることである。 なぜなら 実行者は、現体制下で甘い汁を吸っていた人々全てを敵に回すだけでなく、新体制になれば得をす…

#301 国には2種類ある

国には2種類ある ①言語や風習などが征服国と共通していて、住民が自由な暮らしに慣れている場合 ②言語や風習や体制や異なる場合 ①言語や風習などが征服国と共通していて、住民が自由な暮らしに慣れている場合 この場合は、それまでの支配階級をするだけで十…

#300 指導者が成功するための方法

〜指導者が成功するための方法〜 ①法律 ②力 第一の方法は、人間のものである。 第二の方法は、野獣のものである。 第一の方法だけでは多くの場合充分でないのが現実のため、第二の方法の助けを借りるほうが有効であることも知っておく必要がある。 要するに…

#299 人間は全ての性質を一身に集めるようには作られていない

指導者たる者は、破滅を狙う者たちに口実を与えがちな悪評は、細心の注意を払って避ける必要がある。 同時に、できれば大事に関係ない悪評でも、避けるよう心がけるべきである。 君主(指導者)は、それをしなければ国家の存亡に関わるような場合は、受ける…

#298 自分の時間の使い方を知ること

自分の時間の使い方を考えない社長が、会社にロスタイムを発生させている。 ①社長は良い判断ができる人なのか? 社長には多岐にわたる業務がある。 資金繰り、トップセールス、各部署の管理などがあり、それぞれの業務に割くことができる時間は、各部署の責…

#297 富と向き合うための6つの井戸

〜富と向き合うための6つの井戸〜 ①障害物が何か認識する 良くない習慣を持っていると、収入はそれを維持し増やす手段となってしまう。 まずは、どこに余計なお金を使っているのかを調べる。 1つ目の井戸は、意味もなく資金を無駄にしないことである。 例え…

#296 エネルギーの行き着く先とは

物は高いところから低いところへと落ちる。 これに反して、物質を高いところへ持っていこうとすると、エネルギーが必要となる。 外部からいかに多くのエネルギーを供給して、それをどれだけ効率よく使えるかが重要になってくる。 エネルギーを感情に変換させ…

#295 友達の法則

友達集団には、厳密なルールがある。 実は自分と似ている相手に引き寄せられている。 何百年も前から、母親の手を離れた幼い子どもが生きていくためには、年上の子供に面倒を見てもらうしかなかった。 年上の子供は自分と似ている子供を優先的に世話しようと…