#324 戦略は各種工作を併用して総合することによって相乗効果を起こすもの
戦略は各種工作を併用して総合することによって相乗効果を起こすものである
小さな力で大きな仕事をするには、謀略を使う必要がある
謀略とは、実力をなるべく使わず相手を思うようにすることで相手に自主的に計算させてこちら側の主張に同調するほうが有利だと状況判断をさせることである
兵力の運用を計画するにあたっては、
兵力は有限であるため、その中から最大の効果を収めること
精神面・物質面の両方において、経済的使用に努めるとともに敵に不経済なる兵力使用を強要しなければならないもの
兵力を経済的に使用するためには?
一貫した方針を確率し、大きな機動力を発揮して要点要点に徹底的に兵力を集結させる
そしてそれを統一させ、一途の目的に向かい集中発揮するとともに、攻防の利点をタイミングと場所の機に応じて活用すること
敗戦の跡を探求したところ、多くの場合重大なる時期に遊兵をしていた
戦場における高等統帥の最も大切な仕事は離れている兵団を適時戦場に招致し、共同連携させることである
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#323 計画の立て方
計画は次の順序で策定するといい。
①目的と目標を確立する
②これを達成するための方針を定める
③方針を実行するための指導要領を決定する
④各機関の行動、相互の連繋の拠り所を示し、努力の重複と隙間のないようにする
計画というのは、目を通した時に内容が吞み込めるように書き現わさなければならない。
例)
目的は高給を得ることの場合、目標は会社の利益を増やすことである。
計画を立てる場合に一番大切なのは
目的と目標を確立することである。
これさえ決まれば計画は出来上がったのも同然である。
また
計画を実行している途中で、現況にて適応するように計画を修正するときは
必ず最初に定めた目的と目標を思い浮かべ、これを見失わないように注意しなければならない。
よく言われる言葉に、「ドライバーは山を見よ!」というものがある。
遠くの方にある山を目標にして、一般方向を把握にれば、途中で少々道を間違えても大きな失敗はしないが、山を見ないで目の前のカーブや曲がり角ばかり拘っているといつの間にか反対方向に走っていることになる。
方針に基づく指導要領を策定する場合には、主眼(狙い)、方式、時機、目標、重点の5条件を考えることが必要である。
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#322 統率力
神秘的な力を発揮するトップの秘密は、その人の統率力である。
統率力は、統御と指揮からなる。
統御
統御とは、集団内の各個人に全能力を発揮して指揮されようとする気持ちを起こさせる心理的工作である。
指揮
指揮とは、統御によって沸き立たせ、掌握したエネルギーを総合して、集団全体の目標に適時、集中指向し、促進して、効果的に活用する技術的工作である。
トップが神秘的な力を発揮するのは、まず統御の面において、その人がトップに就任することにより全組織の人々が奮い立ち、その全能力を発揮するようになることである。
1000人の人が1割余分に力を出せば、それこそ100人力を増したことになる。
指揮の面においてはまず状況判断能力が重要になる。
非常苦境に陥った人間の眼には、ピンチとチャンスは同じに映るもの。
せっかくの好機を危機と錯覚するような将帥に率いられた軍が勝てるはずがない。
将帥が軍の勝敗に決定的かつ直接的影響を与える原因はここにある。
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#321 人間は自分の価値を常に認めて欲しいと思っている
人間は自分の価値を常に認めて欲しいと思っている。
つまり
自分に対して好意を持ってくれている人に対しては、メリットがあるという考え方をしているのである。
人が人を好きになる瞬間とはいつか?
それは、「メリットを失いたくない」と思ったときである。好きだと言ってくれた相手が他の異性に対して好意を持った瞬間に「失いたくない」と思う。
つまり
「メリットを失うことがデメリットである」ことで、嫉妬だったり独占欲と言われるようなものである。
「イケメンだから好き」とか「お金持ちだから好き」というのは、単純に自分にメリットがある異性に憧れを抱いているだけである。
どんな異性に対しても
「相手のメリットたる存在になって、失うことがデメリットであると認識させる」
ことをすれば、相手には「好き」という感情が湧いてくる。
恋愛とは、ただの「嫉妬」と「独占欲」である。
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#320 市民たちの行為に注意を怠ってはならない
市民たちの行為に注意を怠ってはならないという話。
なぜなら
一見するだけならば私利私欲とは無関係に見えるものでも、もしかしたら裏には権力獲得の欲望が潜んでいるかもしれないからである。
そのため
このような疑いのある行為は、たとえ表縁的にはいかに善意の賜物のように見えても軌道を修正しておくことが必要である。
これは容易な作業ではない。
力量豊かな市民なくしては存立も危うくなるからである。
しかし、力量豊かな市民の突出もまた僭主制移行への危険をはらむ。
この場合の取るべき方策は1つしかない。
それは
力量豊かな市民の力を充分に発揮させながら、それでいてその市民の名声が他の人々の自由を侵すことのないような制度を整えることしかない。
これに関しての具体的な議論は、まず市民の獲得する名声が公的なことによるものか、それとも私的なものによるものかを分けて考えることから始めるべきである。
もしそれが、公共の利益のために為された結果であったとしたら、それに対する報いはケチるべきではない。
ケチるどころかより名声を上げるのを側面援助して、他の市民たちが続くように努めるべきである。
なぜなら
この種の名声ならば共同体にとっての危険は全くないからである。
反対に
私的な意図があって獲得した名声の場合は、危険極まりないことである。
なぜなら
それは市民たちの私利私欲を叶えてやることによって得た名声であるからである。
例えば、金を貸してあげたり、娘の嫁ぎ先を世話してやったり、官史に口を聞いて便をはかったり。
これらの行為によって面倒見の良い人だと思われ、その人の周りには自然に党派が結成されることになる。
公的な利益を考えて行動する市民には名声を与え、私的な利権をばらまくことによって名声を得ようとする市民には、ブレーキをかける制度が必要である。
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#319 軍隊には3種類ある
〜軍隊には3種類ある〜
①古代ローマの軍隊
このタイプの軍隊の力の源泉は、規律にある。
歴史上、ローマ軍団ほど軍規が行き届き、それが長期にわたって維持された軍隊はなかった。
ローマの軍団兵は、指揮官の命令がない限り食事も取らず、眠りもしなかった。
あらゆる軍事行動に勝手に走ることはなかったのである。
そのため
ローマ軍はどれほど困難な状態におかれてもうろたえることがなく、必勝を信じて、緒戦に見せた勇猛さを持ち続けることができたのである。
②ガリア軍
ガリア人は勇猛であったが軍規というものが存在しなかった。
緒戦では凄まじい力を発揮するが、それが終わりまでは続かない。
規律によってのみ裏打ちが可能な力量がなかったのである。
③現代(16世紀)のイタリア軍
これは、勇猛心もなければ規律も存在しないという類のものである。
このような軍隊は、持つだけでも無駄と言える。
なぜなら
棚からぼた餅式の幸運に恵まれるが、逃げるしか頭にない敵にでも出会わない限り、勝利など夢のようなものであるから。
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#319 人間というものは同じような欲望に駆られ、同じような性向を持って生きている
人間というものは同じような欲望に駆られ、同じような性向を持って生きている。
過去の状態を詳しく学ぶ者は、現在のことも容易に判断がつき、古の人々の行為を参考にして、対策を立てることができるのである。
仮に完全に同じ状態が過去に見出せなかったとしても、本質的には同じであるため、現在のことへの対策も容易に見通しがつくというものである。
人類はいつになっても相変わらず、同じことを繰り返している。
世の中とは、所詮似たようなやり方で進むものであり、良き性向も悪い性向も対して変わりない形で共存し続けるものである。
とはいえ
国によって風習が異なるように、国によってその表れ方も違ってくるもの。
だが、人類全体から見れば少しも変わらないのである。
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