2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

#322 統率力

神秘的な力を発揮するトップの秘密は、その人の統率力である。 統率力は、統御と指揮からなる。 統御 統御とは、集団内の各個人に全能力を発揮して指揮されようとする気持ちを起こさせる心理的工作である。 指揮 指揮とは、統御によって沸き立たせ、掌握した…

#321 人間は自分の価値を常に認めて欲しいと思っている

人間は自分の価値を常に認めて欲しいと思っている。 つまり 自分に対して好意を持ってくれている人に対しては、メリットがあるという考え方をしているのである。 人が人を好きになる瞬間とはいつか? それは、「メリットを失いたくない」と思ったときである…

#320 市民たちの行為に注意を怠ってはならない

市民たちの行為に注意を怠ってはならないという話。 なぜなら 一見するだけならば私利私欲とは無関係に見えるものでも、もしかしたら裏には権力獲得の欲望が潜んでいるかもしれないからである。 そのため このような疑いのある行為は、たとえ表縁的にはいか…

#319 軍隊には3種類ある

〜軍隊には3種類ある〜 ①古代ローマの軍隊 このタイプの軍隊の力の源泉は、規律にある。 歴史上、ローマ軍団ほど軍規が行き届き、それが長期にわたって維持された軍隊はなかった。 ローマの軍団兵は、指揮官の命令がない限り食事も取らず、眠りもしなかった…

#319 人間というものは同じような欲望に駆られ、同じような性向を持って生きている

人間というものは同じような欲望に駆られ、同じような性向を持って生きている。 過去の状態を詳しく学ぶ者は、現在のことも容易に判断がつき、古の人々の行為を参考にして、対策を立てることができるのである。 仮に完全に同じ状態が過去に見出せなかったと…

#318 国家には清貧が大切である

国家が秩序を保ち、国民1人1人が自由を享受するには、清貧が最も有効である。 ローマは、建国後400年までは少なくとも清貧を尊ぶ気風が充満していた。 なぜなら、 ローマ市民にとっていかなる公的地位に就くにもいかなる成功に浴びすにも、貧しさが不都合な…

#316 なぜ古代は秩序が保たれたのか

なぜ古代は秩序が保たれたのか? 理由は、昔は自由人であったが、今では奴隷の生活をするしかないことにある。 自由に生きることのできる国は、社会全体が繁栄を享受できるようになる。 そのような社会では、結婚を避ける傾向もなく、財産を減らす恐れを持た…

#315 長期にわたって存続する共和国を作るには

長期にわたって存続する共和国を作るにはどうすればいいか。 それは、国内では秩序を保ち、国外に対しては、天然の要害の地にあることと、時刻防衛をおろそかにしていないことから、容易に攻略できないと敵に信じ込ませることである。 同時に、近隣の国々が…

#314 なぜ自由に生きることへの強い愛情が生まれるのか

なぜ自由に生きることへの強い愛情が生まれるのか? それは、歴史上、自由を持つ国家だけが、領土を拡張し経済的にも豊かになったからである。 アテナイがわずか100年の間に成果を生むことができたのかは、個人の利益よりも共同体の利益を優先するようになっ…

#313 ハンニバルとスキピオ

ハンニバルとスキピオは、部下の心を掴むために全く反対の方法をとったが、両者とも同じ効果をあげることができたのである。 スキピオは、任地のスペインで人間味溢れる温情に満ちた言動によって、地方の人心を掴んだ。 ハンニバルは、イタリアの地で、残酷…

#312 人の運の良さは時代に合わせられるかで決まる

人の運の良さは、時代に合わせて行動できるか否にかかっている。 ある者は激情のほとばしるままに行動し、ある者は慎重に慎重を重ねた上で行動を起こす。 両人とも限界を踏み外し、失敗に終わってしまうことがある。 反対に 誤りが少なく、幸運に恵まれた人…