#037 作戦には必ず目的がなければならない
いかなる軍事上の作戦においても、そこには明確な戦略ないし作戦目的が存在しなければならない。
目的の曖昧な作戦は、必ず失敗する。
目的が曖昧だと
軍隊という大規模組織を明確な方向性を欠いたまま指揮し、行動させることになる
本来、明確な統一目的なくして作戦はないはず。
しかし、日本軍ではこうしたことがしばしば起こったのである。
ノモンハン事件において、日本軍の作戦目的は明確ではなかった。
ソ連との国境線をめぐる師団レベルの戦闘であったにも関わらず、最高統帥部たる大本営は明確な判断を示さなかった。
結果として、関東軍の独断専行を許容する形となった。
ミッドウェー作戦の場合、当初軍司令部は米軍の反攻基地覆滅を考え、その最大の基地となるオーストラリアと米国の連絡を遮断するために、フィジー、サモアを攻略する計画を立てた。
しかし
連合艦隊は、ミッドウェー、アリューシャンを攻撃し、米艦隊をハワイから誘い出してこれを撃滅することを主張したのである。
結果的に長官が押し切る形でミッドウェー作戦が策定されたが、その作戦目的は曖昧な内容だった。
ミッドウェー島攻略を志向していたのに、米艦隊撃滅を目的としていたのである。