#059 生き物はみなアルゴリズムである
生き物はみなアルゴリズムである
あらゆる動物は歳月をかけた進化を通して自然選択によって形作られた有機的なアルゴリズムの集合体である。
アルゴリズムの計算は計算機の材料に影響されない。
算盤は木で出来ていようが、鉄で出来ていようが、2つの珠と2つの珠を合わせれば4つの珠となる。
計算が有効である限り、アルゴリズムが炭素の形を取っていようとシリコンの形を取っていようと関係ないのである。
時が流れるとともに、人間をコンピュータアルゴリズムに置き換えるのは、ますます簡単になっている。
太古の狩猟採集民は生き延びるために様々な技能を身につけた。
そのため
ロボットの狩猟採集民を設計するのは難しい。
設計するには、槍の矛先を作ったり、森で食べられるキノコを見つけたり、マンモスを追い詰めたり、10人余りの仲間と連携して攻撃を仕掛けたり、その後で薬草を使って傷の手当てをしたりする方法を知っている必要がある。
ところが
数千年の間、私たち人間はずっと専門家を進めてきた。
タクシー運転手や心臓専門医は、狩猟採集民と比べて得意な分野が非常に限られているので、AIに置き換えられやすい。
AIは人間に似た存在には程遠い。AIが人間を求人市場から締め出すには、特定の職業が要求する特別な能力で人間を凌ぎさえすればいい。
アルゴリズムが人間を求人市場から押しのけた場合、富と権力は全能のアルゴリズムを所有することになる。