#060 人生の意味
私たちは空想の物語のために犠牲を払えば払うほど執拗にしがみつく。
なぜなら
その犠牲と自分が引き起こした苦しみに、意味を与えたいから。
国家や神や貨幣と同様、自己もまた想像上の物語にすぎない。
私たちそれぞれが手の込んだシステムを持っており、自分の経験の大半を捨てて少数の選り抜きのサンプルだけを取っておく。
自分の観た映画や、読んだ小説、耳にした演説、それらを混ぜ合わせ寄せ集めの中から、自分が何者で、どこから来て、どこへ行くのかにまつわる筋の通った物語を築き上げる。
この物語が、何を好み、誰を憎み、自分をどうするのかを命じる。
私たちは誰もが自分のジャンルを持っているのだ。
悲劇を生きる人も、果てしない宗教的なドラマで過ごす人も、アクション映画のような人生に取り組む人も、結局はただの物語にすぎない。
人生の意味とは何なのか?