#092 企業の神話

〜企業の神話 ビジョナリーカンパニー〜

 

○素晴らしい会社を始めるには、素晴らしいアイデアが必要である

 

           

現実は

 

具体的なアイデアを全く持たずに設立したものもあり、スタートでつまづいたものも少なくない

 

設立当初から成功を収めた企業の比率は、比較対象企業よりビジョナリー・カンパニーの方がかなり低かった

 

スタートでは遅れを取るが、長距離レースに勝つことは多い

 

 

○ビジョンを持った偉大なカリスマ的指導者が必要である

            

 

現実は         

 

ビジョンを持ったカリスマ的指導者は全く必要ない

 

こうした指導者はかえって、会社の展望にマイナスになることがある

 

偉大な指導者になることより、長く続く組織を作り出すことに力を注ぐ

 

時を告げるのではなく、時計を作ろうとする

 

 

○利益の追求を最大の目的としている

 

            

現実は

 

利益を得ることはその中の一つにすぎず、最大の目標であるとは限らない

 

単なる金儲けを超えた基本的価値観や目的といった基本理念も同じように大切にされている

 

 

○共通した正しい基本的価値観がある

               

現実は

 

基本的価値観は「洗練されたもの」や「人道的なもの」であることが多いが、そうである必要はない

 

決定的な点は、理念の内容ではなく、理念をいかに深く信じているかである。

 

そして会社の一挙一動にいかに一貫して理念が実践されているか。

 

「何よりも大切にしているものは何なのか」という問いを立てる

 

 

○変わらない点は、変わり続けることだけである

              

現実は

 

基本理念は信仰に近いほど情熱を持って維持している。

 

基本理念をしっかりと維持しながら、進歩への意欲が極めて強いため、大切な基本理念を曲げることなく、変化し、適応できる

 

 

○危険を冒さない

              

現実は

 

社運を賭けた大胆な目標に挑むことを恐れない

 

胸おどるような大冒険だからこそ、人は引きつけられ、やる気になり、前進への勢いが生まれる

 

 

○誰にとっても素晴らしい職場である

        

現実は

 

社員はうまく適応して活躍するか、病原菌のように追い払われるかのどちらかになる

 

基本理念と高い要求にぴったりと合う者にとってだけ、素晴らしい職場である

 

存在意義、達成すべき目標をはっきりとさせているので、厳しい基準に合わせようとしなかったり、合わせられない者には、居場所がどこにもない。

 

 

○綿密で複雑な戦略を立てて、最善の動きを取る

         

現実は

   

大量のものを試し、うまくいったものを残す方針の結果であることの方が多い

 

 

○根本的な変化を促すには、社外からCEOを迎えるべきである

 

現実は

              

根本的な変化と斬新なアイデアは社内からは生まれないという一般常識は、何度も繰り返し崩されている

 

 

○競争に勝つことを第一に考えている

 

現実は

             

自らに勝つことを第一に考えている

 

競争に勝っているのは、最終目標を達成しているからというより、「明日にはどうすれば、今日よりうまくやれるか」と厳しく問い続けた結果、自然に成功が生まれているから

 

 

○二つの相反することは、同時に獲得することはできない

     

現実は

         

「ANDの才能」を大切にする

 

これはAとBの両方を同時に追求できるとする考え方である

 

 

○経営者が先見的な発言をしている

              

現実は

 

基本理念を活かすために、何千もの手段を使う終わりのない過程をとっており、これはほんの第一歩にすぎない。

 

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