#246 トランジスタの集積度とムーアの法則

コンピュータは半導体チップ上に集積された莫大な数のトランジスタで成り立っているもの。

 

そのため利用できるトランジスタの総数はコンピュータの性能を大きく左右する。

 

トランジスタは、ウェハーと呼ばれる半導体の薄版に対して、フォトエッチングという方法を用いて作成される。

 

これはウェハー上に回路のパターンを投影しながら化学反応を起こすことで、トランジスタを構成する電極や絶縁体薄膜、不純物の濃淡などを作り出すものである。

 

このようなウェハー加工技術の発展とともに、より細かな回路をウェハー上に焼き付けることが可能になり、結果としてチップ上のトランジスタ総数を増やすことができる。

 

1970年代以降、この技術発展は2年で半導体集積密度が倍になるという爆発的なスピードで進んでいる。

 

このようなことをムーアの法則と呼ぶ。

 

しかし

 

トランジスタの縮小には限界があるため、トランジスタの大きさを原子の大きさよりも小さくすることは難しい。

 

また、トランジスタの大きさが原子の大きさに迫れば電子の確率的な漏れ出しなどの量子効果が無視できなくなる。

 

このような量子効果はすでに大きな問題となっており、ムーアの法則の維持は年々難しくなっている。