#193 目標志向タイプのリーダーシップ

〜目標志向タイプのリーダーシップ〜

 

目標を設定し、それに向かって前進を続け、進路から外れないように必要な修正をすることができる。

 

 

(信頼を築くリーダーシップ)

 

優先すべきことは知っていて、そこから注意を逸らさないこの人に、周囲は一目置いている。必要のないことはさせないようにする。何かを頼む時には、それが最終的なパフォーマンスに影響するかどうか、まず自問する。時間を割く価値がないと判断した時には、頼む必要はない。それでも、皆がこの人の判断を信頼するはず。

 

・「目標志向」の際立った才能を持つこの人は、人生は選択することだと知っている。その選択は自分がしなければならない、ということを忘れてはいけない。他の人たちの選択を理解し、尊重していることを示す。

 

 

(思いやりを示すリーダーシップ)

 

・人生の優先順位について大きな視野に立って考える。「目標志向」の才能を、重要なプロジェクトだけでなく、人に対しても活かす。人生のパートナーたちに相応の時間と注意を注げるように目標と戦略を定める。これらの目標を、日々の「やることリスト」に含め、達成したものから消していく。

 

職場の誰に投資すべきか。仕事に励み、この人の人生をより良いものにしてくれているのは誰か。この人の効率を高めてくれる人たちに感謝の意を表す。有能なリーダーでいられるのは彼らのおかげだと認め、彼らの方で助けを必要としている時には手を差し伸べるようにする。

 

 

(安定をもたらすリーダーシップ)

 

もっと先のことまで計画するようにして、「目標志向」の才能を注ぐ範囲を広げる。例えば、1年先の計画を立てるところを3年先にするなど、予測の対象に含める期間を徐々に伸ばしていくのも悪くない。そんな考えを共有する。目標に焦点を当てて長いスパンで物事を考えていることがわかると、周りは安心する。

 

・家族やワークチームと長期的な目標を共有するときは、この人の将来の計画に彼らも組み込まれていることを告げる。大切で必要な存在として共に歩んでいくことを保証してあげる。

 

 

(希望を生み出すリーダーシップ)

 

・責任と仕事は、生涯に渡って累積し続ける。その中には、もはや意味のなくなったものもあるかもしれない。累積したガラクタを片付けるのに手を貸す。

 

・「人生と仕事で一番重要なことは?」「この仕事のどこが好き?」「この仕事を辞めたら、どうなる?」といった質問をしてみるのも悪くない。こうした問いかけが、自分たちのエネルギーを集中、または、もう一度集中させて、今後のことを見つめ直すきっかけになる。

 

・最も有望な従業員の今後のキャリアの相談に乗って、会社に投資をする。人に助言する時には、この人ならその人の希望が確実に叶う明確なキャリアパスと行動作りを手伝ってあげることができる。

 

達成状況を測定できる明確で具体的なパフォーマンス目標も持つこと、これは効率的に仕事をする上で極めて重要。この人は「目標志向」の才能を刺激し続けることを好む。目的、達成状況の測定システム、パフォーマンス目標を部下たちと共有する。そうすることによって、皆のチーム感覚を強め、もっと大きな企業目標に対する個人の達成状況を測るように促すことができる。

 

 

(このタイプの人を率いるには)

 

・日程と目標だけを設定し、その実践法は本人に考えさせる。この人は自分で仕事をコントロールできる環境で力を発揮する。

 

・定期的に話し合うことでこの人はさらに成長する。目標及び進捗状況を人に話すのが好き。どの程度の頻度で話し合うかも決めさせるといい。

 

・この人に他人の気持ちをよく考えた行動はあまり期待しないほうがいい。この人にとっては目標達成が何より重要である。「目標志向」に加えて「共感性」も持っているようなら、その傾向は弱まるが、目標に向かって邁進しているときには、この人には他人の気持ちを踏みにじる可能性がある。このことは心に留めておいたほうがいい。

 

・この人は頻繁に軌道修正を強いられるような状況では意欲が湧かない。修正が避けられない場合には、この人の「目標志向」を刺激する言葉で説明するのが有効である。「新たな目標」や「成功への新たな戦略」といった言葉を用いると、軌道修正や目標変更もさほど抵抗なく受け入れてくれるはず。

 

・この人は時間管理に関するセミナーに参加させるといい。時間管理能力に長けていなくても、「目標志向」に突き動かされてできるだけ早く目標を達成しようとするタイプなので、効果的な時間管理ができれば、さらに効率的に仕事が捗ることをよく理解する。

 

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