#312 人の運の良さは時代に合わせられるかで決まる
人の運の良さは、時代に合わせて行動できるか否にかかっている。
ある者は激情のほとばしるままに行動し、ある者は慎重に慎重を重ねた上で行動を起こす。
両人とも限界を踏み外し、失敗に終わってしまうことがある。
反対に
誤りが少なく、幸運に恵まれた人々は、時代の流れを感じ取り、それに合わせて行動して成功するのである。それは激情派か慎重派には関係なく。
ファビウス・マクシムスというローマ人は、ローマ人特有の激情と大胆さからは離れた慎重な闘い方をする武将であった。
このやり方が成功したのは、それが時代とあっていたからである。
情況が変わって、戦争終結のために敵地アフリカに軍を派遣したいとスキピオが主張したとき、それに誰よりも反対したのはファビウスであった。
これは、自分が慣れ親しんだやり方を変えられない
つまり、頭の切り替えができない人に、よく起こる現象である。
戦争もまた、時代や情況が変われば、その進め方も変わらなければならない。
困難な情況化で軍を率いていくのに適したファビウスのような人間もいるし、勝負を決する情況が訪れれば。それを活用できるスキピオのような人物もいるということである。
時代の流れを察知し、それに合うよう脱皮できる能力を持つ人間は、極めて稀な存在である。
その理由は2つある。
①人は、生来の性格に逆らうようなことは、なかなかできないものであるから
②それまでずっと上手くいってきた人に、それとは違うやり方がこれからは適策だと納得させるのは、至難の業であるから
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