#318 国家には清貧が大切である
国家が秩序を保ち、国民1人1人が自由を享受するには、清貧が最も有効である。
ローマは、建国後400年までは少なくとも清貧を尊ぶ気風が充満していた。
なぜなら、
ローマ市民にとっていかなる公的地位に就くにもいかなる成功に浴びすにも、貧しさが不都合なことは全くなかったからである。
その人物が力量に恵まれてさえいれば、どんなに貧しい小屋に住んでいても人材登用の機会にもれないという自信を持てたのであった。
そのため、強いて富を求める必要もなく、欲求も生まれなかったのである。
つまり
ローマ人の制度がローマ人自身に富をがむしゃらに追求する気持ちを生まれさせなかったのである。
清貧を尊ぶ気風が、国家や都市や全ての人間共同体に栄誉を与えたのに反して、富追求の暴走は、それらの衰退に役立っただけであった。
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