#084 僭主は、貴族に憎まれても平民に憎まれるな
一般に、平民は開放を熱望して過望を抱く。
それに対して、貴族はただ支配欲に駆られて争い、互いに勝てないと見れば、それぞれ特定の人物を担ぎ出して主張を通そうとする。
ところが平民に頼まれたこの種の人物は、平民の力を利用して貴族を倒し、平民を弾圧して僭主となるのが定石である。
国内の支持勢力をあてにできない僭主は
・外人の護衛を雇って身近の安全を図る
・農民を武装させて平民の役割を代行させる
・近隣強国の援助を求める
このように国外に支援を求める
民衆の希望とは
・自分たちを縛り付けている者に仕返しをすること
・もう一度自由を取り戻すこと
である。
第2の願望を叶えてやるには、民衆の極少数の者は、自分が命令する立場になりたくて自由を求め、他の大多数の者は、自分たちの生活の安定を願って自由を求めているということを承知しなければならない。
企業でいうと
社長は、重役、幹部、一般社員の欲望の違いをわきまえなくてはならない。