#087 告発は良いが、中傷は悪い
権力を握ろうと野望を抱いた者が、その野望の邪魔になる有力者を排除しようとする場合にはよく中傷という手口を用いる。
「公金を使い込んだ」「買収されてわざと戦いに負けた」などという悪評を流して民衆を背かせ、失脚させる方法である。
中傷は告発するよりも簡単である。
中傷するには証人も証拠もいらないが、告発するにはこれが必要である。
中傷はどこでも人の集まる所なら随時行えるが、告発は一定の公共機関に届け出しなければならない。
中傷は相手に憎しみを与える。
被害者は自分に投げかけられた悪口を恐れるより憎むため、中傷した人間に仕返しをしようとして、紛争が起きる。
告発は国家を益するが、中傷は国家を毒する。
告発があまり行われなかったり、受け入れる体制が整っていないと、中傷が横行してしまう。
国を建設する者は、市民が気軽に告発権を行使できるようにしておかなければならない。
これは会社でも同じである。
その上で中傷を行う者を厳しく罰することが必要である。