#086 洗い直す

国家でも宗教でも、革新運動の起きないものは永続しない。

 

革新とは、浄化して本来の姿に戻すことである。

 

君主国、共和国、宗派などは、創設期において、何らかの長所を発揮して興り、その後に新しい要素を吸収しつつ発展していく。

しかし

 

その中には栄養もあれば毒素もあるため、長い間に老廃物がたまり、時々洗い直して本来の姿を現す働きを持たないと組織は没落する。

 

〜主な自浄作用〜

 

①偉大な人物が出て、人々を教化し指導する

 

名声が高く模範的な人物の指導によるものは最良で、悪い人たちは恥じいって横暴な行為を慎むようになるため、法律で強制したり、厳罰で脅す必要はない。

 

 

②人々自身が「良い法律を作り、これを守らなければならない」と悟る

 

この方法にも、偉大な人物が必要である。

 

法律違反の行為をする国の権力者に対し、厳重に法律を執行するには勇気ある正義の人が必要である。

 

③外国の侵略などの危難をきっかけとして人々が目覚める

 

 

ローマが繁栄した時期には、偉大なる人物と厳格な刑罰の執行という浄化作用が約10年間隔で行われていた。

 

しかし

 

この間隔が次第に開いていくとともに、加速度的に堕落して、本来の美点を失っていった。

 

なぜか

 

ローマ建国者たちの作った優れた制度は尊重されず、自由な社会を維持するのに必要な良識は無視されたため。

 

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