#130 発生主義について(会計)
取引は、その取引が発生したときに記録されるもの。
取引は、その取引によって会社のお金が増減する可能性が、十分高くなった時に記録する。
これを発生主義という。
会計は、情報の信頼性が求められているため、あまりに不確実な取引は計上してはならない。
一番確実なのは
商品の引渡しも済んで、お金の受払いも完了した時である。
しかし
取引を記録するのは、遅いほどいいとは限らない。
会社は取引をする場合、直接現金で払ったり受け取ったりすることは少ない。普通は、何ヶ月後に支払うと約束しておいて後でまとめて、お金を払ったり受け取ったりする。
こうした取引をお金が実際に入ってくるまで記録しないでいたら会社の活動の実態が会計に反映されなくなってしまう。
実際のお金の動きは、会社がお金を増やすための活動とは直接関係なく相手先との取り決めや、会社の資金繰りの計画によって決められる。
会計数値が、会社の活動の実態を示すためには、お金の動きではなく、会社の活動に合わせて取引を記録する必要がある。
会計にとって重要なのは、会社がいつ、どのような生産や購買、販売などを行って価値を増やしていったかということである。
会社がいつお金を支払ったり受け取ったりしたかではない。
会社の活動の実態を、会計情報として実現するために、確実、正確ではない取引も、発生主義に基づいて計上される。