#124 君主よりも人民の方が賢明
法律は良く守られている場合には、君主にも人民にも不都合はないが、法律が良く守られていない場合は問題である。
一般に、君主は法律を無視して気ままに振る舞える立場にあり、人民に比べるとはるかに恩義を裏切りやすく、気まぐれになり、無思慮に陥りやすい条件を備えている。
人民は「先見性と真理を嗅ぎ分ける能力」を持っており、一部の君主のように、常軌を逸した行動に出ることは少ない。
君主は人民よりも自己の欲望に負けやすい。
人民が乱暴するのは公共の福祉を損ねる人物に対してであり、君主が乱暴するのは自己の利益を損ねる相手に対して。
君主を騙すことは容易であるが、支配者たる人民を騙すことは難しい。
君主の支配下に甘んじている都市に比べ、人民が主権を握っている都市の方が、短期間のうちに驚くべき進歩と領土拡張をやり遂げている。
過去の例としては、王を追放した後のローマ。
君主は新しい法律を作ることには優れているが、作られた法律を守るのは人民の方が勝っている。
人民より選出された支配者に対しては批判しやすいが、君主を批判するには、非常な危険を覚悟しなければならない。
これらのことから国は、君主よりも人民に支配を委ねた方が良い!!