#125 大物はある日、ふと小物に変身する
国の創立、改革派独裁的に、維持は民主的になるべき。
建国や根本的改革というような大事業は、公の役に立つことを念願して私利私欲なく、祖国第一に考えて自分の子孫のことを顧みず、思慮深く積極的な人物に絶対な権力を持たせて仕事を強行させねば成功しない。
もたらされた結果が立派であれば、そのために犯した罪は許される。
しかし
建設的意義のない暴力で、破壊に終始するようなものは良くない。
この種の創業者の権力は遺産として次代に渡してはならない。
なぜなら、創業の実情を知らない後継者はその権力を乱用するから。
創業は1人でするもの。
衆議によれば仕事を混乱させるばかりで、効果が上がらない。
しかし
創業後、これを維持発展させることまで1人で負担することは無理で、この段階では多数の者を協力させることを考えなければならない。
ローマを建国したロムルスは元老院を設置し、ほとんどの権限を委譲した。
創業の仕事が終わった後の彼が持っていた権力は、戦時における軍隊の指揮権と元老院の招集権だけであった。
大物はある日、ふと小物に変身するのだ。
大きな要因に、創業時と維持発展期の転機に気づかないことがある。
創業者は、情勢が維持発展あるいは理性でわかっていても感情の処理ができなくて退く潮時を失い、別人のように小物に見えてしまうのだ。