#090 傭兵軍に依存する国は安定しない
傭兵は無統制で行儀が悪く、野心に満ち、忠実ではない。
仲間同士の争いでは勇敢であるが、敵に対しては臆病である。
人に対しては信義を守らない。
従って
傭兵に依存する君主の安全なのは、敵が攻めて来ない間だけである。
傭兵が役に立たないのは、給料のみを目当てにして行動するものだからである。
その金額は死を賭けるほど高額ではないため、君主に仕えるのは戦争が始めるまでのことであり、戦争が始まれば採算が合わなくなるためいなくなってしまう。
傭兵隊の欠陥を決定的にするのは傭兵隊長の問題である。強力で危険な軍隊の指揮を外国人に任せることがいけないのである。
一般に国が自国軍を使うには、君主自ら戦場に赴いて指揮すべき。
共和国においては、適格な市民を選び、戦場の指揮者として派遣すべきものである。
一人の市民に軍隊の指揮権を与えることは、外人部隊を使う場合に比べれば問題にならない。