#066 城塞は必要ない?
日本各地には様々な城がある。
観光スポットとなっているが、その城がどんな意味をもたらすのかを考えたことはあるか。
実は城塞は統治のために必要ない。
ではなぜ城塞を作ったのか。
〜城塞が統治のために有害無益な理由〜
①支配者が領民を恐れ、彼らの反乱を心配して城塞を作ること自体が、支配者に対する憎しみを領民に植え付ける
城塞は領民不信、支配者憎悪の象徴である。
②城塞は支配者に対し、「力ずくで領民を押さえることができる」と錯覚させ、不当な統治を行わせやすい。
③城塞は支配者の信ずるほど安全ではない
城塞は支配者の身を守るため、本当の役には立たない。
城塞を持っていることは支配者を向こう見ずにし、常民を不当に弾圧させることになる。
これは領民を刺激して反抗心を起こさせ、支配者を破滅に追いやる。
最上の城塞は、人民の憎しみを買わないことである。
どんな城塞を備えていても、人民の支持を受けていない君主は助からない。
ギリシャのスパルタ人は城塞をあてにせず、自分の都市を守る城壁さえ築かなかった。
彼らは各人の力だけを頼りにして祖国を守ろうとしたのである。
ローマ人は征服した都市を武力で押さえるために城塞を作ることをせず、かえって既存の城塞を破壊した。
一般に城塞の運命はその付近で行われる野戦の勝敗に支配される。
精鋭な軍隊を持っている国は、国防のためにも城塞を作る必要はないのである。
精鋭な軍隊を持たない国は決して城塞を作ってはならない!!
なぜなら
これを役立たすことができないだけではなく、容易に敵手に落ち、逆用されるから。
城塞の目的は、外敵に備えることと部下や領民を監視することである。
しかし
城塞は外敵に対して役に立たないし、内敵に対してはむしろ有害である。
武田信玄は領内に城を作らなかった。
「人は城、人は石垣、人が濠」
もしかしたら大阪城がなかったら、豊臣家は滅びなかったかもしれない。