#279 織田信長は強い機能組織を作った偉人である
共同体組織が構成員の成果、つまり「固さ」を追求するのに対して、機能組織は目的達成力の「強さ」を求める。
その意味で、日本史上、最強の機能組織を作った男は、
織田信長であったと言える!!
織田信長の成功と横死は、機能組織のあるべき姿と現実的限界の良き参考となる。
信長が、少年時代に珍奇な服装で馬を駆っていたというのは、それが便利だったから。とても合理的である。
父である信長の葬儀で香を投げつけたが、これは彼の悲しみの表現に適していたからである。
室町礼法を否定したのも、鉄砲を採用したのも、機能主義的発想である。
信長以前の武士の組織というのは、室町体制での一揆
つまり
地域別地共同体だったのである。
そのため
一揆のメンバー(構成員)である国人とか地侍とか言われる小地主(豪族)たちの地位と利益を守ることが優先され、戦に勝つ機能強化はそのために手段であったのである。
名門、古株が首脳となり、「みんなで全てを決める式」での評定をしていた。
信長は、この共同体的組織原理を否定し、「天下布武」の達成を目的とした機能体を創り上げたのである。
天下布武とは、天下は武士が一元的に支配する体制のことである。