#106 組織の文化
かつて部族のカルチャーが部族内の成員に対して価値や行動規範となるようなトーテムやタブーを持っていた。
それと同じように、組織にも文化が形成され、それが直接あるいは間接に組織の成員のモノの見方や行動を規定する。
組織が新たな環境変化に直面したときに最も困難な課題は、
これまでに蓄積してきた組織文化をいかにして変革するかということである。
組織文化は
①価値
②英雄
③リーダーシップ
④組織・管理システム
⑤儀式
などの一貫性を持った相互作用の中から形成される。
組織の共有された行動様式の体系が組織文化である。
その根幹をなすのは、その組織の持っている価値である。
組織の価値が末端にまで文化として浸透するためにじゃ、組織の成員が特定の知識や行為を媒介にして特定のモノの見方や行動の型を内面化していくことが必要である。
このような価値の制度化には、とりわけ組織のリーダーの言動による影響力が大きい。
つまり
組織の価値が指揮官の日常のリーダーシップ行動を通じて伝承されていく。
帝国陸海軍において、戦略・戦術の原型が組織成員の共有された行動様式にまで徹底して高められていた。
その点で、日本軍は順応しすぎて特殊化していた組織であった。
組織が継続的に環境に順応していくためには、組織は主体的にその戦略・組織を変化に適合するように変化させなければならない。
組織は、自己革新行動を通じて日々進化していくものである。