#251 自己革新組織
自己革新組織は、その構成要素に方向性を与え、その協働を確保するために統合的な価値あるいはビジョンを持たなければならない。
自己革新組織は、組織内の構成要素の自立性を高めるとともに、それらの構成単位がバラバラになることなく総合力を発揮するために、全体組織がいかなる方向に進むべきか全員に理解させなければならない。
戦争時の米軍は、目標と構造の主体的変革を、主としてエリートの自立性と柔軟性を確保するための機動的な指揮官の選別と、科学的合理主義に基づく組織的な学習を通じてダイナミックに行ったのである。
対して日本軍には、米軍に見られるような静動的官僚制にダイナミズムをもたらすための
・エリートの柔軟な思考を確保できる人事教育システム
・優れた者が思い切ったことのできる分権的システム
・強力な統合システム
が欠けていた。
日本軍は、過去の戦略原型には見事に適応したが、環境が構造的に変化した時に、自らの戦略を主体的に変革するための自己否定的学習ができなかった。
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