#285 得難い人材補佐役

世の組織を運営する上で、最も得難い人材は補佐役である。

 

補佐役とは、隠れている小さな問題点や日常的に発生する庶務雑事を発見して、その解消に努める役である。

 

そのため、補佐役の業務は目立たないし、目立たないようにしなければならない。

 

補佐役の任務は、トップの行う総合調整の事前処理であり、その結果必要となる微調整であり、前進するトップの後方固めでもある。

 

補佐役にとって重要なことは、他人と功績を競わないことである。

 

小さな不満、まだ目立ってはいないが組織全体に鬱積する問題点などを発見し修正するためには、特定の分野や機構に不満不利益を与えることも多い。

 

 

〜補佐役の3条件〜

 

①匿名の情熱

 

自分の功を顕示しないことへの歓びである。

 

補佐役を使いこなすためには、トップが全幅の信頼を与え、万全の対価を支払うように考えなければならない。

 

 

②トップの基本方針の枠を超えないこと

 

補佐役は、あくまでもトップと一体のため、自ら方針を立てたり、事業や作戦を企画してはならない。

 

 

③絶対に次期トップではあり得ない

 

補佐役が次期トップと思われれば、現トップとの一体感が失われ、他者と功を競うことになる。